第211回国会 参議院 外交防衛委員会 第13号 令和5年5月11日 令和五年五月十一日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月十日     辞任         補欠選任      猪口 邦子君     山本佐知子君      武見 敬三君     山本 啓介君      福山 哲郎君     高木 真理君      下野 六太君     山口那津男君  五月十一日     辞任         補欠選任      山本佐知子君     猪口 邦子君      山口那津男君     竹内 真二君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         阿達 雅志君     理 事                 岩本 剛人君                 佐藤 正久君                 小西 洋之君                 平木 大作君                 音喜多 駿君     委 員                 猪口 邦子君                 小野田紀美君                 中曽根弘文君                 堀井  巌君                 松川 るい君                 山本 啓介君                 山本佐知子君                 吉川ゆうみ君                 高木 真理君                 羽田 次郎君                 竹内 真二君                 金子 道仁君                 榛葉賀津也君                 山添  拓君                 伊波 洋一君                 高良 鉄美君    国務大臣        外務大臣     林  芳正君        防衛大臣     浜田 靖一君    事務局側        常任委員会専門        員        神田  茂君    政府参考人        内閣府宇宙開発        戦略推進事務局        審議官      坂口昭一郎君        法務省大臣官房        審議官      保坂 和人君        外務省大臣官房        審議官      伊藤 茂樹君        外務省大臣官房        参事官      宮本 新吾君        外務省大臣官房        参事官      片平  聡君        外務省総合外交        政策局長     市川 恵一君        外務省欧州局長  中込 正志君        文部科学省大臣        官房審議官    永井 雅規君        防衛省防衛政策        局長       増田 和夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○平和的目的のための月その他の天体を含む宇宙  空間の探査及び利用における協力のための日本  国政府とアメリカ合衆国政府との間の枠組協定  の締結について承認を求めるの件(内閣提出、  衆議院送付) ○航空業務に関する日本国と欧州連合構成国との  間の協定の特定の規定に関する日本国と欧州連  合との間の協定の締結について承認を求めるの  件(内閣提出、衆議院送付) ○協力及び電子的証拠の開示の強化に関するサイ  バー犯罪に関する条約の第二追加議定書の締結  について承認を求めるの件(内閣提出、衆議院  送付)     ───────────── ○委員長(阿達雅志君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、下野六太君、福山哲郎君、猪口邦子君及び武見敬三君が委員を辞任され、その補欠として山口那津男君、高木真理君、山本佐知子君及び山本啓介君が選任されました。  また、本日、山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として竹内真二君が選任されました。     ───────────── ○委員長(阿達雅志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平和的目的のための月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の枠組協定の締結について承認を求めるの件外二件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府宇宙開発戦略推進事務局審議官坂口昭一郎君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ───────────── ○委員長(阿達雅志君) 平和的目的のための月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の枠組協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国と欧州連合構成国との間の協定の特定の規定に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件及び協力及び電子的証拠の開示の強化に関するサイバー犯罪に関する条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  三件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。 ○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。  まず、おとといの午後だったと思いますが、オンラインで行われたフランスの外務・防衛閣僚協議、いわゆる日仏2プラス2について伺います。  先月のG7長野県軽井沢外相会合の際、日仏外相会談が行われたばかりですが、一か月もたたないうちに、一年四か月ぶりとなるオンラインでの日仏2プラス2を開催した理由とその意義について、林外務大臣に伺います。 ○国務大臣(林芳正君) 日仏2プラス2でございますが、基本的価値と戦略的利益を有する特別なパートナーであるフランスと外務・防衛担当閣僚がそろって安全保障、防衛分野における日仏協力や地域情勢等について幅広く議論をし、両国の連携を一層強化していくものでございます。  この今回の日仏2プラス2は、今年一月の日仏首脳会談におきまして、岸田総理とマクロン大統領との間で、本年前半に開催をするということを目指すということで一致したことも踏まえまして、日仏間で調整を重ねて開催に至ったものでございます。  会合におきましては、寄港や共同訓練を含むインド太平洋地域での両国間の具体的な協力が進展をしておりますことを高く評価し、特に安全保障、防衛分野における今後の協力を更に深化させていくことで一致をするとともに、中国や北朝鮮、ウクライナ等の地域情勢についても認識を共有いたしまして連携を確認するなど、所期の目的を達したというふうに考えておるところでございます。 ○羽田次郎君 ありがとうございます。  G7広島サミットの際も日仏首脳会談が行われると思いますが、今回、こうした頻繁に意見交換をするということが、もしかすると、日豪、日英と締結したような円滑化協定等がもうすぐ締結されるようなことがあるのかなとも思ったんですが、その辺はどういう今取組状況なのでしょうか。 ○国務大臣(林芳正君) 先ほどお答えしたように、今回の日仏2プラス2は、今年一月の日仏首脳会談におきまして、両首脳間で今年前半に開催することを目指すということで一致したことを踏まえまして、日仏間で日程を重ねて開催に至ったものでありまして、それに尽きると考えております。  その上で、この部隊間の共同運用、演習のための行政上、政策上及び法律上の手続を相互に改善するための恒常的な枠組みについての議論の進展、これを歓迎いたしまして、議論を一層加速させるように事務当局に指示をしたところでございます。 ○羽田次郎君 ありがとうございます。より一層緊密に連携していくという方針というふうに承知いたしました。  次の質問ですが、来月シンガポールで開かれるアジア安全保障会議、通称シャングリラ会合の機会に日韓の防衛相会談が調整されていると報道を見ております。首脳間のシャトル外交が再開されたとはいえ、竹島や自衛隊機への火器管制レーダー照射問題など懸案事項が様々ある中でどこまで踏み込んだ防衛協力関係を築けるのか、御見解をお伺いすると同時に、今回、米国を経由して日韓のレーダーシステムを接続して弾道ミサイルの探知、追尾をするというような報道もございましたが、日韓でレーダーシステムを直接接続するような必要性というのがないのかどうか、そして、そうした可能性について防衛省の今後の方針というものを伺いたいと思います。 ○政府参考人(増田和夫君) お答え申し上げます。  北朝鮮の核、ミサイルをめぐる状況を含め、日韓両国を取り巻く安全保障環境は厳しさと複雑さを増す中、日韓、日米韓の連携はますます重要となっております。  昨年十一月の日米韓首脳会談においても、北朝鮮による前例のない頻度と態様での弾道ミサイル発射などを踏まえまして、その共同声明におきまして、日米韓三か国は抑止力強化のために協働する、飛来するミサイルの探知、評価に係る各国の能力を向上させるため、北朝鮮のミサイル警戒データをリアルタイムで共有する意図を有することなどが明記されました。  現在、防衛当局間、私自身も先月、ワシントン行きまして日米韓の実務者協議やりましたけれども、そこで、どのようにこの北朝鮮のミサイル警戒データをリアルタイムで共有するのかということについて議論をしております。このデータをリアルタイムで共有するというのは技術的な検討がどうしても必要になってきますので、そういう点をしっかりと今議論をさせていただいているところでございます。とはいいながら、やはり北朝鮮のミサイル発射というのは続いておりますので、少しでも早く、ここの点、技術的な詰めができるように今加速的な議論を進めているということでございます。  また、現在、日韓防衛当局間には火器管制レーダー照射事案等の課題がございますけれども、最近の日韓関係を一層発展させていく大きな流れの中で、防衛当局間においても韓国側と緊密に意思疎通を図ってきておりますし、更に図っていきたいと考えているところでございます。 ○羽田次郎君 私が拝見したその資料によると、米国を経由してというふうに書かれていて、私も技術者じゃないので、米国を経由することがどれくらいの時間的なラグが生まれるのかというのはちょっとよく分からないんですが、いずれにしましても、直接の、何ですかね、レーダーの共有ではなくて、間接的にすることによる弊害みたいなことはないのかどうなのかというのをもしお分かりになれば。 ○政府参考人(増田和夫君) お答えを申し上げます。  技術的な観点や、それからまた、先ほど申し上げました北朝鮮ミサイル発射が頻繁に起きているというこの現状の中で、どのように速やかにその共有を図っていくかという様々な視点から検討しているわけでございますけれども、一つ事実として申し上げられるのは、今、我々はそのミサイル発射のデータ等につきましては、アメリカと日本の間では非常に緊密にリアルタイム共有されてきているという事実があるわけでございます。  他方、韓国側も、これはちょっと専門的で私たちも承知していないところありまして、答えられないところあると思いますけれども、米国と韓国の間でそういうデータは共有されているんではないかと。そういうことを踏まえながら、どのようにすることが技術的に簡単なのか難しいのか、そして速くできるのかできないのか、様々な観点から今技術的に、専門的に検討しているところでございます。 ○羽田次郎君 ありがとうございます。  先日、北朝鮮の弾道ミサイルがレーダーから消失するという重大な事態が起こったばかりですので、捉え切れない情報を双方で補い合って迅速に共有することというのは死活問題になると思いますので、そういう意味では、外務省と防衛省の両輪で横たわる様々な問題というのを解決していただいて、迅速な連携が結べるように御尽力いただければと思います。  それでは、本日の議題となっているそれぞれの協定について質問いたします。  まず、日米宇宙協力に関する枠組み協定について伺います。  本協定第三条では、日米の各政府が指定する実施機関の間で定める共同活動に関する実施取決めについて、実施機関、題名、署名の日、有効期間を含む一覧表を作成し、維持する規定となっています。ただ、この一覧表を公表するかしないかということについては協定では明文化されていないんですが、宇宙開発や日米宇宙協力に対する国民からの幅広い理解や支持を得るためには一覧表が公表された方がいいのではないかと思いますが、政府の方針を伺いたいと思います。 ○国務大臣(林芳正君) 本協定に基づきます実施取決めの一覧表でございますが、本協定が締結された後に米国側と調整していく必要はございますが、我が国といたしましては、日米宇宙協力の実施状況に関する透明性確保の観点から、公表することが適当であると考えております。 ○羽田次郎君 ありがとうございます。  やはり国民の理解を得るために透明性というのは大変重要だと思いますので、是非、米国側との話合いをしていただいて、公表できるような体制を整えていただきたいと思います。  本協定第四条では、各当事国政府は、共同活動において自己の経費を負担するとあります。我が国の令和五年度当初予算及び令和四年度補正予算における政府全体の宇宙関係予算は合計六千百十九億円で、JAXAの予算は約千五百五十四億円と伺っております。一方で、米国NASAの今年度予算は約二百五十億ドルとなっており、NASAの予算だけでも政府全体の宇宙関係予算額を優に超えているという現状があります。  そういう中で、政府は、過去の国会答弁で、関連予算に限りがある中、宇宙開発利用を効果的、効率的に進めていくためには戦略的な取組が必要不可欠と述べられておりますが、確かに効果的、効率的に進めていくことは大切だと思います。ただ、本協定第四条にあるように、本協定及び実施取決めにおいては必要な経費をお互いに融通し合うというわけではございませんので、日米間でこれだけ宇宙関係予算額に圧倒的な差がある中で、今後の宇宙協力を円滑に進めるための宇宙関係予算の編成方針を伺いたいと思います。 ○政府参考人(坂口昭一郎君) お答えいたします。  日米間の宇宙協力を円滑に進めていくことは大変重要な課題と考えております。  例えば、米国提案による国際宇宙探査計画であるアルテミス計画や国際宇宙ステーション計画など、米国と役割分担をした上で着実に取組を進めておるところでございます。具体的に申し上げますと、令和五年予算でアルテミス計画については四百五億円、国際宇宙ステーション計画については百十四億円など、しっかりと確保しているところでございます。  引き続き、日米間の宇宙協力の円滑な実施に向け、関係省庁と連携して必要な予算をしっかり確保していきたいと考えております。 ○羽田次郎君 限られた日本側の予算の中でも、米国と協力することによって、ある程度の、何というんですかね、日本にとっても大きなメリットはあるというふうに理解いたしました。  四月の二十六日、韓国の尹錫悦大統領は、米国に訪問中にNASAの施設を訪れて、両国の宇宙協力の拡大に意欲を示したそうです。そして、韓国の科学技術情報通信省とNASAが宇宙探査や科学技術分野で連携を進める共同声明に署名して、尹大統領が両国間の宇宙同盟は宇宙の安全保障にまで発展してほしいと表明したというふうに報じられております。  他方で、昨今では、北朝鮮が核・ミサイル開発に加え、軍事偵察衛星を発射する構えを見せておりまして、この動きに対して、先日の日韓首脳会談で岸田総理と尹大統領は、北朝鮮の挑発行為が継続する中、日米同盟、韓米同盟、日韓、日米韓の安全保障協力により抑止力、対処力を強化することの重要性について一致したというふうにおっしゃっております。  先ほどの質問にも関連しますが、北朝鮮の脅威が宇宙空間にも及びつつある中で、安全保障の分野を含めた日韓、日米韓の宇宙協力の枠組み創設について政府として検討すべきとの意見もございますが、政府の見解はいかがか、伺います。 ○政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  ただいま委員の方から御指摘もございましたが、四月末の尹錫悦韓国大統領の米国国賓訪問の期間中、米国航空宇宙局、NASAと韓国科学技術情報通信部との間で宇宙探査及び宇宙科学協力のための共同声明が署名されたということは承知しております。  また、北朝鮮は例えば軍事偵察衛星の開発などにも言及しておりますが、いずれにせよ、北朝鮮が前例のない頻度と新たな態様で弾道ミサイル発射を繰り返していることは、我が国の安全保障にとり重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域及び国際社会全体の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できないと考えてございます。  こうした北朝鮮への対応を含めて、日韓、日米韓ではこれまでも緊密に連携してきておりまして、現時点で宇宙に特化した新たな枠組みを設置する必要があるとは考えておりませんけれども、大変にここは大事なポイントでございますので、いずれにしましても、引き続き、日韓そして日米韓で緊密に連携をしてまいりたいと思っているところでございます。 ○羽田次郎君 今厳しい国際環境の中で、やはり一国だけでの、何というんですかね、そうした宇宙関係の開発ですとか様々な安全保障環境を整える意味でも、やっぱり連携というのは、特に隣国韓国とは重要になってくるのかなという気はしておりますので、是非とも今後ともよろしくお願いします。  次に、航空協定に関する日・EU協定について伺います。  これまでEU加盟のそれぞれの国との二国間協定に従って締約国の航空企業のみが定期便を運航していましたが、今回の協定を締結すれば、我が国と二国間協定を締結していない国の企業もEUの航空企業として定期便を運航できることになります。  これはEU側の事情を踏まえたものであると思いますが、EU航空企業にとってのメリットは明らかであると思うんですが、日本側の意義というのはあるのかということと、また我が国の航空企業への影響というのはどのようなものがあるのか、教えていただければと思います。 ○政府参考人(中込正志君) お答え申し上げます。  二国間航空協定に関する日・EU協定でございますけれども、EUとの連携の重要性、それから一昨年に発効しました日・EU航空安全協定を含みますこれまでの日・EUの航空関係等も踏まえて、EUとの間の航空関係の安定的な発展に向けた基盤を整備するために締結するものでございます。  御指摘のとおり、今回の協定によってEU航空企業が定期便を運航できるようにするものでございますが、我が国にとりましても、日・EU間の航空市場に参入する航空企業の増加が、航空企業の選択肢の増大それから消費者の利便性向上につながるものでございまして、日本の航空企業にとっても提携先の拡大といった利益が期待されるところでございます。  また、この協定の締結を受けまして新たな二国間航空協定の交渉が促進されるというメリットもございまして、実際に、昨年四月のこの協定の実質合意を受けまして、クロアチア、チェコと航空協定の交渉を再開されております。  また、それから、我が国の航空企業に与える影響ということでございますけれども、この協定によりましても、我が国と既存の二国間航空協定の下での我が国と相手国それぞれの定期航空業務の路線とか便数等の輸送力に対する制限に変更ございません。したがいまして、先ほどちょっと申し上げましたけれども、この協定の締結によって日・EU間の航空市場に参入する航空企業増大しますので、それによる航空企業の選択肢の拡大、消費者の利便性向上、それから日本の航空企業にとっての提携先の拡大といった利益が期待されるという、こういうことでございます。  以上でございます。 ○羽田次郎君 利用者にとっての利便性もそうですし、日本の航空企業にとっても多分共同運航便とかそういう形でメリットがあるというふうに理解いたします。  最後に、サイバー犯罪に関する条約の第二追加議定書についてお伺いいたします。  二〇〇四年に発効したサイバー犯罪条約は、サイバー犯罪について、各国がこれを犯罪として認定し、こうしたサイバー犯罪を立件するための証拠を収集する刑事手続なども定めたもので、サイバー犯罪に対する国際協力を進める条約として大変重要だと考えます。ただ、技術革新が非常に速く進むことから、これに対処するために、今回、新たな国際協力の取組が求められて、追加議定書によってサイバー犯罪条約を時代に沿ったものにしていくことということだと思います。  今回のこの中には、インターネットサービスプロバイダーが保有する情報を開示するように求める規定もあるんですが、日本はこの規定を留保する予定と聞いております。このプロバイダーへの情報開示請求は、一見するとこの追加議定書の中心的な内容であるのではないかとも思えますが、まず、この規定を留保する理由を伺います。その上で、こうした留保が追加議定書の趣旨を損なうものではないか、御説明いただければと思います。 ○政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  本追加議定書の第七条には、自国の領域内に所在するインターネットサービスプロバイダーが、他の締約国から発せられた命令に応じて加入者情報を開示することができることとするという規定が置かれるとともに、締約国は同条の規定を適用しない権利を留保することができると、こういう規定も設けられているところでございます。  この第七条の規定に従って我が国のインターネットサービスプロバイダーが本人の同意を得ることや裁判官の発付した令状によることなく外国の捜査当局に加入者情報を開示できるようにすることについては、個人情報の適正な取扱いや通信の秘密の保護などとの関係で慎重な検討を要することから、我が国としましては、本議定書が定める留保規定に基づき、留保する予定でございます。  さらに、加入者情報は、第七条の規定を留保した場合であっても、第八条に規定しております締約国間の相互援助によりまして、他国の当局が国内のインターネットサービスプロバイダーに情報を提出させるための手続を経ることを前提に加入者情報や通信記録を取得することができまして、同条の手続を通じて本議定書の締約前よりも迅速かつ円滑に加入者情報を適正な形で取得することが可能になるわけでございます。  したがいまして、第七条の規定に従って留保いたしましても、本議定書の趣旨を損なうことにはならないと考えているところでございます。 ○羽田次郎君 丁寧な御説明、ありがとうございました。  以上で終わります。 ○高木真理君 立憲民主・社民の高木真理です。どうぞよろしくお願いをいたします。  まず初めに、日米宇宙協力に関する枠組み協定について質問をさせていただきます。  政府は、本協定の締結により、日米間の宇宙協力の更なる迅速化及び効率化が見込まれる旨を説明をしています。本協定を締結した場合、日本の宇宙政策の自律性と米国との協力を両立していくことが大切であると考えますが、どのように両立を図っていくのか、政府の方針を伺います。 ○政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  我が国の宇宙政策は、宇宙開発戦略本部が宇宙の開発や利用を総合的、計画的に進めるために策定した宇宙基本計画に基づいておりまして、国際的な協力による宇宙開発もこの我が国の宇宙基本計画を踏まえて計画、実施してきているところでございます。  また、本協定は、日米間で個別の宇宙協力を実施するに当たりまして、当該協力を行う実施機関が作成いたします実施取決めを日米政府それぞれが承認し又は確認する仕組みを規定してございます。こういうことで、我が国が当該協力を実施することが不適当と判断する場合には、当該協力には参加しないこととなります。  したがいまして、我が国の宇宙政策の自律性、これを引き続き維持した上で、日米間の宇宙協力に関する基本事項を定める本協定が締結されることで、今後の様々な日米間の協力を実施するための手続が迅速化し、ひいては協力も効率化するということが期待されるところでございます。 ○高木真理君 ありがとうございました。  本日の議案にはサイバー犯罪の国際条約などもありますが、以下、残りの時間で、日米宇宙協定と同じ日米間条約であります日米地位協定の運用の観点から、様々、人権に起きている問題について質疑をさせていただきたいと思います。  この質問をするきっかけになっているのは、今日、傍聴席にも来ていらっしゃいますけれども、キャサリン・ジェーン・フィッシャーさんです。オーストラリア国籍で、日本に来て四十年。先日、高良議員の質問の際にもいらしていたので、皆さんの御記憶にもあろうかと思います。  二〇〇二年四月、横須賀基地で公務外の米軍人から性被害に遭いました。被害者であるのに、神奈川県警はジェーンさんに、長時間拘束するなど、ひどい扱いをしています。横浜地検は理由を明らかにしないまま加害者を不起訴処分、ジェーンさんは民事に訴え、東京地裁は暴行を認定、損害賠償命令が出ました。しかし、米軍は、犯人を除隊、帰国させます。賠償金は支払われず、犯人は行方知れずになります。その後、ジェーンさんは、執念で犯人をアメリカで見付け、アメリカで東京地裁判決の履行を求め、賠償額の問題ではないと、一ドルを懸けて二〇一三年勝訴します。  相手が米軍人で地位協定に関係なければ、これほど大変な思いまでしなくて済んだはずです。ジェーンさんは、その後も性被害撲滅に向け声を上げ続け、様々な活動を続けていますが、何といっても実現をと望んでいるのが日米地位協定の改定です。十六条の、日本国の法令を尊重しの表記を、遵守しと改めてほしいと訴えています。  ジェーンさんが持っている、戦後、米軍人等から性被害や殺人の被害などとなった女性の名前を書いたとても長い紙があって、それを見せてもらったことがあります。一人一人からの悲鳴が聞こえてくるようでありました。  彼女の活動は長くなっていますが、この問題は全く進んでいません。そもそも、問題のあった一九五二年の日米行政協定をほぼ引き継いでいる一九六〇年の日米地位協定は、その後一文字も改定されていません。かつ、地位協定の内容とは異なる合意議事録による運用がなされていて、問題だらけであります。  私も、地位協定の改定は必要とは思っていても、沖縄の皆さんがあれだけの思いで頑張ってきても変えられないのだから、無理なのではないかと、諦める気持ちがどこかにありました。  でも、それは違います。これは沖縄だけの問題ではありません。基地問題でもありません。この国の人権意識と主権の問題だと思います。全国民が自分の問題として考えるべき問題だと思います。  そこで伺います。  資料を御覧ください。米軍人、米軍属の犯罪が全国の犯罪に比べて多いか否かについては比較できないが政府の立場であります。しかし、資料を御覧いただけると、起訴率では、米軍人、米軍属においては、強制わいせつ・同致死傷、強姦・同致死傷で、二〇一一年から二〇二〇年までの十年で、それぞれ約一二・五%、一一・一%です。同じ分類で、国内では四三%、四〇・六%であります。  起訴率が低い理由は何でしょうか。また、これらの罪名で起訴後に判決を履行することなく米軍が帰国させているケースは十年で何件あるか、お答えください。 ○政府参考人(保坂和人君) お尋ねの期間におきますお尋ねの罪種の起訴人員と不起訴人員の合計に占める起訴人員の割合につきまして、全体のものと米軍構成員等のものを比較いたしますと後者の方が低いというのは御指摘のとおりでございます。  もっとも、この起訴、不起訴の割合といいますのは、個別の事案ごとの検察官の判断の集積の結果でございますので、その違いがある理由について一概にお答えすることは困難でございます。  いずれにいたしましても、検察におきましては、あくまで法と証拠に基づいて適切に対処していると承知をしているところでございます。  続いてのお尋ねについてでございますが、二点目の、その米軍構成員等がこういったいわゆる性犯罪のいずれかで起訴されて、実刑判決が確定した後に刑の執行を受けることなく米国に帰国したという事例につきましてのお尋ねでございますが、当局、私ども刑事局において把握している限りでは、そういった事例はないというふうに承知をいたしております。 ○高木真理君 刑事の事件の判決の後はないという今お答えだったかと思いますけれども、民事の後、起訴をしないで、そして民事で判決が出ても帰してしまうという事例が実際にジェーンさんの件で起きているわけですね。昨日のレクでは、それは把握されてないということでありましたけれども、そういうことでは、普通に裁判を受けるという権利すら保障されないということになります。  そして、そもそも起訴までについても問題があります。九五年の日米合同委員会合意に基づいて、殺人、強姦などの凶悪な犯罪で日本政府が重大な関心を有するものについては、米側の好意的配慮により起訴前の拘禁移転要請が認められることになりました。でも、これまで六件の要請にとどまっており、五件認められただけです。  どんな事件でも、そもそも身柄は普通に日本側にあるべきだと思います。凶悪犯罪の被害に重い軽いはありません。日本政府に重大な関心を寄せてもらえなかったら軽く扱われるというのはどういうことでしょう。なぜこれだけしか要請件数がないのか、併せてお答えください。 ○政府参考人(宮本新吾君) お答え申し上げます。  まず、我が国で米軍人等が公務外で罪を犯した場合であって日本の警察が現行犯逮捕等を行った場合には、それら被疑者の身柄は米側ではなくて日本側が確保し続けることになります。一方で、被疑者が米軍人等の場合で身柄が米側にある場合には、日米地位協定に基づき、日本側で公訴が提起されるまで米側が拘禁を行うこととされています。  その上で、一九九五年の刑事裁判手続に関する日米合同委員会合意によりまして、殺人、強姦等の犯罪で我が国として重大な関心を有するものについて起訴前の拘禁移転を可能にする道が開かれまして、実際にこれまで五回、起訴前の拘禁移転が行われるなど、運用上の改善が図られてきているところでございます。  この起訴前の拘禁移転を可能とする枠組みはNATOの地位協定や米韓地位協定には存在いたしませんで、米軍が駐留している国の中で日本のように米国との合意に基づいて起訴前の拘禁移転が何度も行われている国があるとは承知しておりません。  いずれにしましても、そもそも米軍人等による事件、事故は地元の皆様に大きな不安を与えるものでありまして、あってはならないものであると考えております。今後も米側に対して様々な機会に事件、事故の防止の徹底を求めてまいります。 ○高木真理君 やっぱり犯罪被害者に重い軽いないんですよね。なので、これは、確かに、この拘禁移転を要請できるようにしたということは一歩前進であったことは確かなんですけれども、それで全てではないと。その先にやはり進んでいただかなければ困るということだと思います。  次に移ります。  地位協定から始まる問題には、この刑事事件に関する取扱いの問題のほかにも、基地周辺での航空機の騒音問題、超低空飛行による危険、部品落下や墜落の問題、基地の土壌汚染による環境問題等いろいろあります。いずれも国内で大問題になるような案件、そして、国内なら法規制によって発生がそもそもないか、あっても処罰される、差し止められる、あるいは規制の強化に向けて政治、行政を動かすことができるはずですが、地位協定があると何もできない。  私は、これら被害を受けている人に起きていることは、沖縄の問題でもなく、基地問題でもなく、普通の国内法制によって救われないという人権侵害だと思いますが、その認識はあるか、伺います。 ○国務大臣(林芳正君) 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、在日米軍は日米安保条約の目的の達成のために必要な訓練や部隊の運用を行っているというふうに認識をしております。  その上で、政府は、沖縄を始めとする地元の負担軽減に全力で取り組んできておりまして、在日米軍再編、また米軍の運用や日米地位協定をめぐる問題について、これまでも米側と様々なやり取りを行いながら、事案に応じて効果的にかつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じ、一つ一つの具体的な課題に対応してきております。  例えば、これまで累次の日米合同委員会合意を通じまして日米地位協定の運用の改善を図ってきたことに加えて、二〇一五年には環境補足協定、二〇一七年には軍属補足協定を締結しております。また、一九九五年の刑事裁判手続に関する日米合同委員会合意によりまして、殺人、強姦等の犯罪で我が国として重大な関心を有するものにつき起訴前の拘禁移転を可能にする道が開かれ、先ほど御質疑いただいたところですが、実際にこれまで五回、起訴前の拘禁移転が行われるなど、運用上の改善が図られてきております。  そもそも、米軍人等による事件、事故、これは地元の皆様に大きな不安を与えるものであり、あってはならないものであります。今年一月の日米2プラス2におきましても、私から地元への影響に最大限配慮した安全な運用や早期の通報を含む事件、事故での適切な対応につきまして米側に改めて要請し、日米双方は緊密に連携していくということを確認をいたしました。  今後も、米側に対して様々な機会に事件、事故の防止の徹底を求めてまいります。 ○高木真理君 人権問題であるというところには正面からお答えをいただけなかったなというふうに思うんですけれども、これ、人権問題であるというところから出発しないと解決されない問題だというふうに強く思っています。  ちょっと時間が大変足りないので、通告を少し飛ばしますけれども、運用改善で、今まで政府の立場としては、今のお答えもそうでしたけれども、やっていくというような、対応をしていくという御答弁は出ているわけですけれども、私は、やはりこれを改定をしていかないとなかなか改善できない問題が横たわっていると思っています。  日米合同委員会の合意は全て公表されていませんし、度々守られていないことが問題になっています。なぜ合意が守られないかということについては、二〇一五年のアメリカの国務省公表の地位協定に関する報告書では、合意を担当するのは国防省統合参謀本部、アメリカの、ですが、両省とも地位協定の担当部署の人数はごく僅かしかおらず、配置転換もあり、引継ぎがしっかりされていないことが理由に挙げられています。また、米軍受入れの窓口は各国のアメリカ大使館ですけれども、大使館員は地位協定に関する知識がないまま配属されているとのことであります。  こうした背景踏まえると、非公表も含め、複雑になってしまった合意ではなく、きちんと明文化した協定に必要事項を書き込む改定をする必要があるのではないかと思いますが、御見解を伺います。 ○国務大臣(林芳正君) この日米合同委員会の合意事項や議事録でございますが、日米双方の同意がなければ公表されないということになっております。これは日米間の忌憚のない意見交換や協議を確保するためでございまして、全て公表してしまいますと日米間の率直な議論を阻害しかねないためでございます。  他方、日米地位協定の運用を含む様々な外交上のやり取りにつきましては、国民の皆様に丁寧に御説明する観点からも、最終的に日米間で一致するに至った合意のうち公表できるものは公表するよう努めてきております。公表されている日米合同委員会合意や議事録は、外務省ホームページ上で閲覧することが可能であります。また、合同委員会合意は協議を通じて日米両政府間で一致を見た見解であるため、日米両政府はこれに沿った実施運用や解釈を行うということが当然に想定をされております。  政府としては、これまでも、日米合同委員会の場を含めて米側と様々なやり取りを行いながら、事案に応じて効果的にかつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じまして一つ一つの具体的な問題に対応してきているところでありまして、今後もそうした取組を積み上げて対応していきたいと考えております。 ○高木真理君 そのような運用でやっていて合意が守られないことなどが、不具合が起きる、で、その背景がこういうものだからもう改定しなければいけないのではないかということで伺ったわけでありました。  本当に時間がないので、ごめんなさい、最後に通告していた質問の方に移ります。  私は、このアメリカ、あっ、ごめんなさい、ドイツやイタリアも同じ敗戦国でありながら改定をしています。これは事情が違うので比べられるものではないという状況の御答弁があるものかとは思いますけれども、こういうのを変えるときというのは、まさに日本が米側に、イタリアとドイツの場合ですね、協力度合いを強めるというタイミングでやっぱり引き出してくるというのがその改定の経緯でありました。それからいくと、私は、本来であれば、防衛費を二倍にするという今回のNATO並みという決定、これを決断するのであれば、ここのときに地位協定の改定、これも是非交渉をすべきだったのではないかというふうに思いますが、そうならなかったので残念であります。  質問は、アメリカは地位協定によって軍人軍属を含めたアメリカ人を守ろうとしているわけです。そして、協定は両者の合意ではありますけれども、日本は戦後のとても弱い時期に基となる行政協定を結んでいて、日本に不利な内容はほぼそのまま変わっていません。  憲法九条のある日本では安全保障も片務的で肩身が狭いというかもしれませんが、相応の金銭的負担も自衛隊の実力も付いているので、私は言うべきことは言えるはずだと思っています。アメリカがアメリカ人を守るために必死なように、日本政府には日本人を、そして日本に住む全ての人を必死に守ってほしいと思います。人権侵害が起きないようにしてほしいわけです。  これ以上、地位協定というレールに乗っていたら、犯罪被害者がそのまま悲惨なところに行き着いてしまいましたというようなことはなくしてほしいんです。それができるのは政府しかありません。是非、目をつぶらずに、不作為のまま時をやり過ごすのではなく、改定に取り組んでほしいと思いますが、御見解を伺います。 ○国務大臣(林芳正君) 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、この在日米軍は、日米安保条約の目的達成のために必要な訓練、また部隊の運用を行っていると認識をしております。  その上で、政府としては、沖縄を始めとする地元の負担軽減、これに全力で取り組んできておりまして、在日米軍再編、米軍の運用や日米地位協定をめぐる課題について、米側と連携して一つ一つ前に進めてきております。  日米地位協定につきましては様々な見方があるということは承知をしておりますが、政府といたしましては、これまでも、米側と様々なやり取りを行いながら、事案に応じて効果的にかつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じまして一つ一つの具体的な問題に対応してきており、今後もそうした取組を積み上げて対応していく考えでございます。 ○高木真理君 今までの取組、御努力があることも分かりますけれども、それでは足りないと思いますので、是非…… ○委員長(阿達雅志君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。 ○高木真理君 はい。  改定を望みます。終わります。     ───────────── ○委員長(阿達雅志君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、山本佐知子君が委員を辞任され、その補欠として猪口邦子君が選任されました。     ───────────── ○金子道仁君 日本維新の会、金子道仁です。  本日は、日米宇宙協力枠組み協定、そしてサイバー犯罪に関する第二追加議定書について質問をさせていただきたいと思います。  まず、今回の日米宇宙協力協定、これはアルテミス合意ですね、日米の、日米だけではないです、マルチですけれども、この合意文書が土台になっていると。以前の、これまでのISSでの協力に関しては、一九九二年の国際宇宙基地協力協定、IGAという多国間協定が枠組みになって、この協定の枠組みの中で国家間協力が進んでいったと。今回のアルテミス合意は拘束力のない合意文書が土台となっている、それで今回、そのために日米のバイの条約を結んでいると。  今回、アルテミス合意、どうして国際協定にならなかったのか、締結されなかったその理由をお聞かせください。 ○政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、一九九二年に発効いたしました国際宇宙基地協力協定及び二〇〇一年に発効しました現行の国際宇宙基地協力協定は、国際宇宙ステーションの協力を実現するための多国間の法的な協力枠組みでございます。  これに対しまして、二〇二〇年に我が国も署名いたしましたアルテミス合意、これは、アルテミス計画も念頭にあるんですが、それにとどまらず、今後の民生宇宙機関による宇宙開発全般を対象としまして、宇宙の探査及び利用を行う際の諸原則について参加国の共通認識を示す政治宣言でございます。  そうした中で、このアルテミス計画でございますが、これは現状、米国と各参加国との間の二国間協力、これを念頭に推進することで国際的な役割分担が行われているところでございます。こういう中で、我が国としましても、アルテミス計画に積極的に参加するために日米宇宙協力の更なる促進及び効率的向上が急務となったことから、日米宇宙協力に関する枠組み協定の交渉を開始したものと、こういうことでございます。 ○金子道仁君 説明ちょっと長かったんですが、端的に言うと、今まではプロジェクトごとに国際協定を作ってそのプロジェクトを実施するための国際協力をしてきたと。今回は、日米の宇宙協力、つまりプロジェクトによらない枠組み協定を作っていく。で、各国との関係でも米国が別のバイで同じような枠組み協定を作って、日本が最後の方にこの枠組み協定に締結に至った、そのように説明をいただいています。つまり、プロジェクトごとに国際協定を作る、それを省いて、もっと迅速に宇宙協力を進めていこうという、そういう意図があるのかと、そのように理解しております。  そして、その日米での宇宙協力の迅速化を進める一つの大きな理由に中国の宇宙開発がある、それが加速していることがあると思うんですが、中国の月探査の現状について御説明ください。 ○政府参考人(永井雅規君) お答えいたします。  宇宙の探査及び利用につきましては、中国のみならず、各国においても関連技術の開発競争が活発化している状況と認識をしてございます。  このような中、中国では二〇〇七年から二〇二〇年にかけて嫦娥と呼ばれる月探査ミッションが実施されており、月周回、月軟着陸、月の岩石のサンプルリターンに成功してございます。  また、今後、二〇三〇年までの間に更に三件の嫦娥のミッションを予定しておりまして、月裏側からのサンプルリターン、月南極付近の資源探査、月面資源利用の実証や、二〇三〇年代の国際月面科学研究ステーション建設に向けた酸素生成技術の実証等を計画していると聞いてございます。 ○金子道仁君 ありがとうございます。  中国は、もう一・七キロの月の岩石をサンプルとして持って帰る。一・七キロを運んで持って帰るってなかなかすごいことだなと思うんですが、いよいよそういう時代が国際社会では起こり始めていると。  それで、我が国も迅速的に宇宙協力を進めていこう、それはよく分かるんですが、その迅速化をすると同時に、宇宙における天然資源の取得に関する国際法の枠組み、これがないというのが非常に問題が起こるのではないかと危惧しております。  宇宙における天然資源の取得に関する国際法の枠組み、これ、参考になるのが私は南極条約ではないかと考えるんですね。宇宙も南極も同じように三つ共通点があって、平和目的のために利用するということ、科学的調査について国際協力をすること、そして軍事的性質の措置は禁止すると、いずれも同じような条約を作っているわけです。そして、南極に関しては、南極環境保護議定書七条で、鉱物資源に関するいかなる活動も、科学調査を除くほか、禁止すると規定されているわけです。  こうした南極での法的な枠組み、国際法の枠組み、これは宇宙における国際法の枠組みに非常に参考になるかと思うんですが、宇宙における天然資源開発ルール、どのように策定したいとお考えでしょうか。大臣、お聞かせください。 ○国務大臣(林芳正君) 今、金子委員から御指摘がありましたように、この南極条約の環境保護議定書第七条には、鉱物資源に関するいかなる活動も、科学的調査を除くほか、禁止するという規定がございます。  この宇宙条約ですが、月その他の天体を含む宇宙空間が国家による取得の対象とはならないという旨を規定しておりますが、この宇宙資源の所有については明示的に禁止する規定がございません。この広く宇宙活動の自由を認めている同条約の趣旨に鑑みますと、天体から採取した宇宙資源の所有は許容されていると、こういうふうに理解をしております。  宇宙資源の開発及び利用に関する国際的な枠組みの必要性は議論されてきているところでございまして、我が国として、宇宙の特性を踏まえて、資源開発、取得に関する様々な国際的ルール、これも参考にしながら、関係国と連携して宇宙資源に関する実効的なルール作りを推進してまいりたいと考えております。 ○金子道仁君 政府はそのような考え方で、二〇二一年、議員立法ですが宇宙資源法が成立しています。我が国が民間事業者に対して宇宙資源開発の許可を与えると。ただ、これは先占、つまり先に占めた者勝ちという、そういうものを、月における天然資源の開発権を認める、そのようなことではないか、少し危惧をするわけですね。  例えば、大陸棚における地下資源の開発を許可する、これは我が国の主権の行使の一部であって、同じような考え方をすると、月における天然資源の開発権を我が国が持っていて、それを民間業者に対して許可をするというのは、宇宙条約の二条で禁止される国家による主権の主張に該当することはないんでしょうか。 ○政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  宇宙資源法は、我が国民間事業者による宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動を促進するため、宇宙資源の探査及び開発を行う場合の許可手続及び宇宙資源の所有権の取得等を規定しているところでございます。また、同法は、法律の施行に当たっては、国際約束の誠実な履行を妨げることのないよう留意すること、及び宇宙空間の探査及び利用の自由を行使する他国の利益を不当に害するものではないことを規定してございます。  なお、この宇宙条約第二条においては、月その他の天体を含む宇宙空間が国家による取得の対象とはならない旨規定しておりますが、宇宙資源の所有について明示的に禁止する規定はなく、広く宇宙活動の自由を認めている同条約の趣旨に鑑みれば、同条約上、天体から採取した宇宙資源の所有は許容されていると理解してございます。  したがいまして、宇宙資源法は宇宙条約と矛盾するものではないと、こういうふうに考えているところでございます。 ○金子道仁君 我が国は署名、締結していませんが、月協定の十一条には、明確に、月及びその天然資源は人類共通の財産であって、その場所にある天然資源はいかなる国家、政府機関、民間人の所有にも帰属しないというそういう規定があります。これは、一九七九年、随分昔に採択された。想像するに、かなり先駆的なものがあったと、余りに先駆的だったので署名国が少な過ぎて全く国際法として成立しなかったと。  ただ、時代的にはまさにこういったことを今議論すべきではないかと思うんですが、この月協定第十一条に対して我が国の立場はいかがでしょうか。 ○政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  ただいま委員御指摘のとおり、この月協定の締約国、大変少のうございまして、現時点で十八か国と、米中ロいずれも未締結と、こういうことでございます。このように、月協定、我が国を含む主要な宇宙活動国の多くが加入しておらず、また、この同協定が慣習国際法としては確立されていないと、こういう認識でございます。  そういうことで、そういう認識の下、同協定は月の資源に対する所有権を否定しておりますが、この点で宇宙資源の所有権の取得等を規定する我が国の宇宙資源法と整合的ではないという現状もございます。  いずれにしましても、我が国は、月協定とは異なる考え方になりますけれども、アルテミス計画に参加する各国とともに、国連におきます宇宙空間平和利用委員会などの場で行われている国際的なルール作り、こういうものに積極的に貢献をしていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。 ○金子道仁君 我が国のその宇宙資源法と月協定がバッティングしている状態だ、それを明確に教えていただいて良かったと思います。  私も、その宇宙資源法にある月面ビジネスの民間参入を促し、その科学的な開発がどんどん進む、これは非常に重要なことだと思うんですが、かつて南極でも議論されたように、それがその国家間の天然資源開発をめぐる主権の争い、それが紛争の種になることは事前に避けるべきではないかと考えております。  そういう点で、今、国連宇宙空間平和利用委員会、COPUOSですね、で議論が進んでいると思いますが、我が国は月面における天然資源の主権、ルールに関してどのように貢献していくか、最後に大臣の見解をお聞かせください。 ○国務大臣(林芳正君) 今お話のありました国連宇宙空間平和利用委員会の法律小委員会におきましては、この二〇一七年から宇宙資源の開発及び利用が宇宙条約に即して実施されるための国際的な枠組みの必要性等が議論されてきておるところでございます。また、この小委員会の下に設置をされました宇宙資源作業部会におきましては、宇宙資源の定義、また開発及び利用に関する法的側面について、今年から五年にわたる集中的な議論が開始をされるところでございます。  我が国としては、引き続き、関係国と連携をいたしまして、宇宙資源に対する我が国の考え方を丁寧に説明するとともに、宇宙空間の持続的かつ安定的な利用を確保すべく実効的なルール形成に貢献してまいりたいと考えております。 ○金子道仁君 是非よろしくお願いいたします。南極は、国際法上、ルールが先行して紛争の種にならなかった良い事例だと思いますので、宇宙空間、特に月面においてもそのような好事例が続くことを期待しております。  二つ目が、サイバー犯罪に関する条約第二追加議定書について御質問させていただきたいと思います。  議定書第六条、ドメイン名の登録情報の要請について、仮に他国の捜査当局が我が国の民間事業者であるドメイン名登録事業者に対して情報提供を要請する場合、これは、他国の我が国国内における捜査権の行使に該当し、我が国の主権侵害に当たるということはないんでしょうか。  また、この条項に対して新たな立法措置は不要というふうな説明を伺っていますが、その理由をお聞かせください。 ○政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  本議定書第六条に基づく要請は、要請を受けるドメイン名登録事業者に対して情報の開示を義務付けるものではございません。事業者が任意で協力しない場合には、要請を行う国は強制力を行使することはできず、必要に応じて同事業者が所在する相手国との協議を求めることができるなど、そういうことにとどまってございます。さらに、同事業者による情報提供は、同条に規定します国内法令に定める合理的な条件に従って実施されるため、我が国においては、個人情報の保護に関する法律に基づきまして、登録サービスの提供を受けている本人の同意をあらかじめ得た上で情報提供がなされるものと、こういうことを予定するものでございます。  この六条、第六条の実施については、我が国として、こうした要請の性質と開示の在り方に合意しまして、本議定書を締結することにより他の締約国とともに相互に実施することから、御指摘のような主権に関する問題は生じないと考えているところでございます。  また、立法措置の要否の関係では、我が国に所在するドメイン名登録事業者が行う情報提供については、国内法令に従う同事業者の任意の判断によるから必要なく、また、我が国の捜査当局が他国に所在するドメイン名登録事業者に対して行う要請については、刑事訴訟法に基づく任意捜査の捜査関係事項照会として実施できることから新たな立法措置をとる必要はないと、こういうふうに整理しているところでございます。 ○金子道仁君 主権の侵害に当たらない、これはよく理解できました。任意であるということです。  ただ、今回のこの追加議定書の趣旨というのは、サイバー犯罪が複雑化している中で、いかに迅速に円滑に捜査当局が連携し、証拠を守って、それを共有していくかという目的だと思うんです。ただ、それと個人情報保護法がいつもバッティングしている、そこがすごく問題であって、それがゆえにこの議定書を結ぶ意味が薄れているんじゃないか、そのように思うんですね。  例えば、今の本人同意を開示条件にすると、その本人が仮に被疑者であれば、被疑者に対してあなたの情報を外国の捜査当局が知りたいと言っているんですと言った瞬間に、あっ、これは何とか隠さないとと逃げていくわけですよね。犯罪情報の迅速、円滑な保存、収集の障害になることはないんでしょうか。 ○政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  御指摘のように、ドメイン名登録事業者との直接協力に関しまして、登録サービスの提供を受けている本人が被疑者である場合には、その同意を求めることによって捜査が行われている事実が推知、推理して分かってしまうということもあり得るとは考えられると思います。  しかしながら、例えば、犯罪に利用されたオンライン上のプラットフォームに割り当てられたドメイン名の登録情報の開示を当該プラットフォームの運営者の同意の下で受けた上で、捜査当局において当該プラットフォームの運営者から事情聴取を行うとすることなど、そういうことをすることによって被疑者の特定に資する情報が得られる場合もあると考えられます。  一般に、我が国に対して要請を行う外国の捜査当局としては、個別具体的な情報に照らしまして、取り得る手段の中から適切な手段を選択するものと考えられることから、ドメイン名登録事業者との直接協力という手段はそれが適切な場合に用いられると、こういうことが想定されます。  したがいまして、本議定書を締結することで、従来の捜査共助に加えまして、ドメイン名登録事業者との直接協力という選択肢が新たに加わるという意義があり、これにより、外国に所在する証拠の迅速かつ円滑な収集に資すると考えているところでございます。 ○金子道仁君 選択肢が増えることはいいことだと、それは趣旨が分かります。運用していく中でこれの実効性がどれだけあるかというのは確認していく必要があると思うんですが、やはり同意を求めること自体が少しナンセンスな感じもします。  そして、先ほど羽田委員からもありました七条に関しては、まさにこの個人情報保護法があるがゆえに留保してしまうと。インターネットサービスプロバイダーによる加入者情報の開示に関しては、我が国はこの協定を適用しない、留保するということで、またこの協定が一つ骨抜きというか、意義が減ってしまうんではないか、そのように思うわけですね。  そうした中で、第九条、緊急事態においては、捜査当局同士が直接協力要請が行われ、データの共有がなされる、そのような枠組みができると書いてあります。ただ、これは緊急事態という事態に限定されるわけですけれども、限定する必要はあるんでしょうか。そもそも、このようなサイバー犯罪における迅速な情報の証拠の保全ということであれば、捜査共助という手続を行う意義はあるんでしょうか。 ○政府参考人(市川恵一君) 一般に、捜査共助は、外国からの要請に基づきまして、当該外国の刑事事件の捜査に必要な証拠が自国の領域内に所在する場合に、当該外国の当局に対しましてこれらの証拠を提供する手続でございます。  この本議定書に規定されました捜査共助の手続によりまして、他の締約国の中央当局を通じて、被疑者を特定するための情報や通信記録等をこれまでより迅速かつ円滑に入手できることができるようにという意義がございます。  この本議定書第九条にある緊急事態におけるコンピューターデータの迅速な開示の手続は、捜査共助よりも簡易な手続で行うことができ、迅速な情報交換に資するものでございますが、この手続によることができるのは、生命又は安全への重大な、重大かつ差し迫った危険があるような緊急事態に限定されてございます。  また、この手続は、我が国においては刑事事件において証拠として使用することを目的とせずに捜査に必要な情報等を入手するための手続でございまして、刑事事件の捜査に必要な証拠の収集を目的とする捜査共助とはこの点において異なっているところでございます。  以上でございます。 ○金子道仁君 最初の質問で、主権の侵害はないと。で、次の質問で、緊急事態であればこの捜査共助をすっ飛ばして直接簡易な情報共有ができると。  であれば、緊急事態でなくても、サイバー犯罪に関してはもうこの第九条を全てに適用する、その方がより迅速かつ円滑な連携につながるんではないでしょうか。 ○委員長(阿達雅志君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕 ○委員長(阿達雅志君) 速記を起こしてください。 ○政府参考人(市川恵一君) 若干繰り返しで恐縮でございますけれども、緊急事態におけるこのコンピューターデータの迅速な開示の手続ということは、この追加議定書上、生命又は安全への重大かつ差し迫った危険があるという、こういう緊急事態に限定されているということで、この手続は、我が国においては刑事事件において証拠として使用することを目的としていないと、捜査に必要な情報を入手するための手続だということで、この点でその捜査共助とは異なっていると、そういう立て付けになっているということでございます。 ○委員長(阿達雅志君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。 ○金子道仁君 はい。  時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。  最後に、この捜査共助に関しては、やはりもう古い手続なのかもしれません。サイバー犯罪に関しては、より迅速にするということで、よりこの追加議定書、更にブラッシュアップしていくこと、今後の交渉で期待したいと思います。  ありがとうございました。 ○榛葉賀津也君 国民民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。  質問に入る前に、前々回のこの委員会で、ハンセン病家族訴訟に関する補償制度、その周知徹底を図るために、是非、厚生労働省には全国の地方自治体、とりわけ基礎自治体の広報紙を使って是非周知するように通達を出してもらえないかというお願いをしたところ、もう数日後には厚生労働省で御英断をいただいて、すぐ徹底をされました。御答弁をしていただいた本田顕子厚生労働大臣政務官のリーダーシップだと思いますけれども、改めて厚生労働省の方々に厚くお礼を申し上げ、ハンセン病関連団体の皆様から、まさにこれこそ対決より解決ですねというお言葉を賜りましたので、改めて本田顕子厚生労働大臣政務官に感謝申し上げたいと思います。  それでは、日米宇宙協力に関する枠組み協定に関連して幾つかお伺いしたいと思いますが、一九六九年七月二十日にアメリカのアポロ十一号が月面着陸をして大きな話題になりました。大臣は当時小学校二年生だったと思いますけれども、私は二歳でございまして全く覚えていませんが、あれから五十年余が経過をいたしまして、アポロ計画以来の大型の宇宙開発が、今も金子先生から話がございましたアルテミス計画でございます。  米国が将来的な火星探査を視野に入れた国際的な月探査計画と承知をしていますが、アポロ計画との大きな違いが有志国との国際協力並びに民間企業の活用ということだと思いますが、この計画に日本以外にどんな国が参加されているんでしょうか。 ○国務大臣(林芳正君) 小学校二年生のときにテレビでふわっとこう宇宙飛行士が動くのを見て感激したというのを今思い出しておったところでございますが、同時に、榛葉先生は更にお若いんだなということで、今、自分の年を感じておったところでございます。  アルテミス計画ですが、これは米国が主導する将来的な火星探査を視野に入れた国際的な月探査計画でございまして、二〇一九年十月に参画を決定をした我が国のほかに、欧州宇宙機関、これESAといいますが、それからカナダも同計画に参画していると承知をしております。  この計画の下で、日米間では既に月面探査関連の協力を始めとする様々な協力が予定をされております。また、民間企業の持つ能力の最大限の活用が提唱されておりまして、我が国の民間企業の積極的な参画が期待をされておるところでございます。 ○榛葉賀津也君 そうなんです。五十数年前ですから、私が二歳なんですが、敬愛する山添拓先生はこの世に存在していなかったということでございますから、時の流れを感じるわけでございますが、このアルテミスという言葉の語源ですが、これ、ギリシャ神話の最高神ゼウスの娘、月の女神がアルテミスということで、そしてこのアルテミスには双子の弟がいまして、この弟の名前がアポロでございます、まあどうでもいい話なんですが。ちなみに、アポロは太陽神でございまして、太陽の神様でございます。  この計画に日本の民間企業が参加をしているという話を聞いていますが、どんな会社が参加しているんでしょうか。 ○政府参考人(永井雅規君) お答えいたします。  我が国は、アルテミス計画の協力として、月周回有人拠点、ゲートウエーに提供する環境制御・生命維持システムや高性能リチウムイオン電池などの開発、また月探査活動に必要な有人与圧ローバーの研究開発などを進めてございます。  これらの実施に当たりましては、日本の民間企業が強みを有し、波及効果の高い技術を活用することとしております。例えば、環境制御・生命維持システムにつきましては三菱重工業や川崎重工業、高性能リチウムイオン電池につきましては三菱電機、有人与圧ローバーにつきましてはトヨタ自動車などといった民間企業がそれぞれ中心となって、さらに、そこに多数の民間企業が広がりを持って参加しているところでございます。  文科省としては、引き続き、アルテミス計画を通じて、日本企業の強みを生かしながら、我が国の宇宙活動を支える産業基盤の維持強化に努めてまいります。 ○榛葉賀津也君 ありがとうございます。  本当、多くの日本企業がこれに参加をしてくれていて、久しぶりにうれしく、わくわくする気持ちになりました。種子島でJAXAのH3ロケットが何度か失敗をして、日本の科学技術、大丈夫かという不安が少しあったわけでございますが、改めて、こういうチャレンジングかつ野心的な挑戦を官民挙げてやっているということに、是非頑張ってほしいと思いますし、特に注目するのが、JAXAとトヨタが二〇一九年から共同開発している、月面での有人探査計画、探査活動に必要とされているルナクルーザーという愛称の人員与圧ローバーでございます。  このルナという言葉も、鎮痛剤の名前ではなくて、ギリシャ神話に出てくる月の女神の名前でございまして、ただ月面というのは、何かもう月というとすぐそこにあるように感じますけれども、重力が地球の六分の一、気温はマイナス百七十度から百二十度、真空で、強い放射能があって、月面にレゴリスと呼ばれる月の砂で覆われているんですから、実は大変難しいチャレンジだというふうに聞いています。  この日本企業と、ごめんなさい、トヨタとJAXAの共同開発、この進捗状況どうなっているでしょうか。 ○政府参考人(永井雅規君) お答えいたします。  我が国では、アルテミス計画への協力に向けて、JAXAとトヨタ自動車を始めとする民間企業が連携して有人与圧ローバーの研究開発を進めているところでございます。この有人与圧ローバーは、我が国が強みを持つ自動車技術と、あと我が国が国際宇宙ステーションへの参加を通じて培った有人宇宙滞在技術を活用して、移動機能と居住機能の両方を併せ持つ、宇宙服なしで長期間搭乗できる世界初となる月面探査車でございます。これは、アルテミス計画の参加国の中でも、我が国の強みを生かして開発に取り組んでいる独自のものと考えてございます。  この有人与圧ローバーの開発に当たりましては、現在、開発リスク等をできるだけ低減するために、このローバーの本格的な開発の着手に先駆けまして、その事前検討活動であるフロントローディングを実施してございます。具体的には、全体システムの概念設計とともに、再生型燃料電池や走行系等の新規性の高い鍵となる要素技術、これに関しまして開発研究や技術実証等をまさに進めているところでございます。  文科省としては、引き続き、この有人与圧ローバーの研究開発に係る予算の確保を始め、必要な取組を進めてまいります。 ○榛葉賀津也君 やはりこの国のこれからの科学技術を牽引するのはイノベーションだと思いますので、是非こういった、大きな投資かもしれませんが、是非しっかりと文科省にはこのプロジェクトを支えていただいて、日本が再びこの世界で世界を牽引する国になれるくらいの意気込みで頑張っていただきたいと思いますが、ふと思ったのが、大臣、あのアポロからこの計画まで五十年間、実は月がちょっと遠かったんですよね。ほとんど月に関するチャレンジというのがアメリカもやってこなかったと。  なぜなんだろうなと思ったら、やはりアポロのときも、目的は月そのものではなくて、恐らく当時の冷戦構造の中で、旧ソビエト連邦に負けてはならぬと、その政治的な対抗意識が大きかったんだろうと思います。世界初の宇宙飛行は一九六一年ですから、アポロ計画に先立つこと六年なんですね、にソ連のガガーリンが宇宙に初めて行った。これ、アメリカは相当ショッキングだったと思います。  ちなみに、当時、世界初の原子力発電所を開発したのもロシアのオブニンスクでございまして、一九五四年の六月ですから。アメリカ最初の原発は遅れること三年半なんですね、シッピングポート原発が最初ですから、それだけ実はソビエト連邦が相当先に科学技術で行っていたと。ですから、今回、五十年の時を経てアメリカが再び、単独ではなくて同盟国、同志国や民間企業を巻き込んで月を目指すというのはそれなりのやっぱり理由があって、それが、先ほど金子委員がまさにおっしゃったように、中国だと思うんです。  中国が二〇〇七年から二〇二〇年にかけて嫦娥と呼ばれる月探査ミッションを実施して、四十四年ぶりに、先ほど金子先生もおっしゃった、一・七キロの石を持って帰ると、月面探査機が月面の岩や土壌を持ち帰ったということで大きなニュースになりましたし、昨年は新しい中国の宇宙ステーション、天宮を完成させました。また、二〇〇一年には天問一号を打ち上げて、アメリカがこれまでなかなかできなかった火星への軌道導入、着陸、そして地上への探査、これ、アメリカは段階的に進めてきたんですけど、中国は一気にこれを同時にやるという、相当進歩、上げていると、相当技術が高まっているというふうに思っていますし、今や自他共に認める宇宙大国になったというふうに私は認識をしていますが、これ政府にお伺いいたしますが、宇宙の、宇宙開発の実態と、アメリカと比べて、今、中国のこの宇宙の科学技術というのはどれくらいの状況なんでしょうか。 ○政府参考人(永井雅規君) お答えいたします。  まず、米中の宇宙技術の差につきましては、なかなかちょっと端的に一言で申し上げるのは難しいところもございますが、中国は宇宙におけるプレゼンスの総合的な強化を目指して活発な宇宙活動を展開していると承知をしてございます。  例えば、月探査につきましては、米国では、これ、榛葉委員が先ほど御指摘いただきましたように、六〇年代のアポロ計画を通じて有人による月周回や月軟着陸、月の岩石のサンプルリターンを実施しておりますけれども、まさに中国は、先ほどおっしゃっていただきましたように、嫦娥と呼ばれる月探査ミッションにおいて、同じく月周回や月軟着陸、そしてサンプルリターンに成功しておりますし、またさらには、二〇一八年には、世界初の月の裏側、これ、難易度はまた更に高まっているところでございますけど、この裏側への着陸にも成功しているという状況でございます。  またさらに、今後は二〇三〇年までの間に三件のこの嫦娥ミッションを予定してございまして、今度は月の裏側からのサンプルリターン、また月南極付近の資源探査、そして月面資源利用の実証、さらには二〇三〇年代の国際月面科学研究ステーション建設に向けた酸素生成技術の実証等を計画しているという状況でございます。  また、地球低軌道の有人拠点につきましても、中国は独自の宇宙ステーション、天宮を昨年十一月に完成させてございまして、現在、私どもが承知している限りでは、今年から本格的に運用が始まる見通しと聞いてございます。  我が国としては、中国など各国の宇宙開発が加速する中、米国や欧州等と我が国の強みを生かした協力を進めつつ、国際競争力の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○榛葉賀津也君 私が初当選した二十数年前はまだ宇宙の平和利用というのが原則でしたが、この二十年間で大きく様変わりしました。この安全保障においても宇宙であるとか衛星コンステレーションというのが極めて重要になってくると思うんですが、難しいのは、我々立法府がこの分野にチェック機能として追い付けないと、追い付いていけないというジレンマがあります。限界はありますが、我々もしっかりこの分野をウオッチしていくことをお誓いいたしまして、質問を終わりたいと思います。  以上です。 ○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  日米宇宙協力に関する枠組み協定に関わって伺います。  まず、内閣府に伺います。  今年度、日本版GPSと言われる準天頂衛星六号機、七号機の打ち上げが予定されています。ここに米国宇宙軍のセンサーが搭載されるといいます。これは軍事目的にも利用され得るものですね。 ○政府参考人(坂口昭一郎君) お答えいたします。  御指摘の我が国が現在開発中の準天頂衛星の六号機及び七号機には米国の国防省が運用するセンサーを搭載します。  このセンサーにつきましては、スペースデブリの増加を始めとする宇宙空間の混雑化による衛星への衝突等のリスクに対応し、宇宙空間の安定利用を確保する観点から、スペースデブリ等の宇宙物体を宇宙空間から観測するためのものであります。 ○山添拓君 いや、ですから、そうした観測の結果が米軍の軍事目的に使われるということも排除はされてないですね。 ○政府参考人(坂口昭一郎君) その点につきましては、アメリカ側の一存で決まることでございます。 ○山添拓君 米側の一存で決まるという御答弁でした。宇宙軍のセンサーですから、その収集した情報をどう使うかについて日本側で制限することは確かにできないだろうと思います。  我が党の井上哲士議員が二〇一六年三月、この準天頂衛星の七機体制への強化について予算委員会で質問した際、当時の安倍首相は、宇宙分野における日米防衛協力の強化は、米国の宇宙軍事利用の補完とか従属では全くない、あくまでも我が国の安全のためだなどと答弁しておりました。ところが、今や日本の準天頂衛星に米軍のセンサーを搭載する、これは補完、従属そのものだと言わなければなりません。  次の問題に行きます。  安保三文書の一つ、防衛力整備計画は、スタンドオフミサイルの運用などのため、宇宙領域の情報収集能力を一層強化、一層向上させるとし、具体的には、多数の小型人工衛星を一体的に運用して情報収集する衛星コンステレーションの整備や、極超音速滑空兵器、HGVを探知、追尾できる観測網の整備を目指すなどとしています。敵基地攻撃能力を運用するには、攻撃目標がどこにあるのか探知、追尾し、目標の割当てなどを行う必要があるからです。  一月の日米2プラス2では、こうした宇宙空間における情報収集について、日米間での機能保証、相互運用性及び運用協力を強化すると合意し、この四月に発表された宇宙基本計画案でも、米国との連携強化がうたわれています。  防衛省に伺います。  いかなる相互運用性、連携を検討しているのですか。 ○政府参考人(増田和夫君) お答え申し上げます。  我が国周辺における軍事活動が活発化する中、防衛省といたしましては、様々な手段を適切に活用しまして、隙のない情報収集体制を構築することが不可欠であると考えております。特に、衛星コンステレーションの活用はその基盤となるものでございまして、我が国独自による構築、米国等との連携強化、そして、民間衛星等の活用を含めました、この三つの柱のバランスを取りながら取組を推進してございます。  具体的に申し上げますと、国民の命と平和な暮らしを自らの力で守り抜くため、我が国自身で目標情報等を収集し、自ら主体的に判断することが極めて重要となります。これに加えまして、米国等との連携強化により、例えば極超音速ミサイルへの対応など、新たな脅威に対して効果的な対処が可能になるものと認識しております。  米国との具体的な連携につきましては現在検討中でございますが、このような認識の下、引き続き、同盟国である米国との取組を進めながら、我が国独自の衛星コンステレーション構築に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ○山添拓君 現在検討中ということでしたが、相互運用性の強化、連携強化と言っている以上は、情報収集もその共有、情報の交換ということにもなるでしょうか。これも日米間で相互に連携して行っていこうと、こういうことを検討されているわけですね。 ○政府参考人(増田和夫君) お答え申し上げます。  衛星コンステレーションやHGV探知・追尾能力の運用も含めまして、これについてはその情報の共有なども、情報の共有ということもあると思いますが、その具体的な連携につきましては現時点で検討中でございまして、また、その検討内容につきましては、相手国との関係もありますことから、この場で今お答えできないことを御理解いただきたいと思います。 ○山添拓君 そこで、大臣に伺います。  政府は、従来、米軍への情報提供については、特定の国の武力行使を直接支援するために偵察行動など情報収集を行う場合、他国による武力の行使と一体化となり、一体となり、許されないケースがあると答弁してきました。  宇宙空間における相互運用性の強化、連携の強化は、日本側が収集した情報を米側と共有し、米側の攻撃を可能にするものです。武力の行使の一体化にならないという保証はどこにあるのでしょうか。 ○国務大臣(浜田靖一君) 情報共有と他国の武力の行使との一体化との関係については、従来から、防衛省・自衛隊がその所掌事務を遂行するため主体的な収集した情報を米軍に対して提供したとしても、それが一般的な情報交換の一環としての情報提供である限り、米軍による武力の行使との関係で問題を生ずるおそれはなく、憲法上の問題は生じないものと考えております。  お尋ねの米国との情報共有について、相手国との関係もあることから、その詳細については明らかにすることはできませんが、いずれにせよ、当該情報共有は、今御説明した、一般的な情報交換の一環として行うものであります。 ○山添拓君 いや、これは一般的な情報交換にとどまらない可能性があるわけです。  昨年十月に公表された米国のミサイル防衛見直し、MDRにはこう書かれています。インド太平洋地域の同盟国やパートナー国と引き続き緊密に協力し、地上及び宇宙ベースのセンサーシステムを追求するよう奨励し、高度で一層多様化する空とミサイルの脅威に対処するため、補完的なIAMD技術や極超音速防衛などの能力の共同開発に投資する機会を模索し続ける。  このIAMDは、米国が世界の同盟国に求めている敵基地攻撃とミサイル迎撃を一体化したシステムです。要するに、アメリカが求めるシステム構築であり、いざというときには米軍の軍事行動に使うことが前提のものですね。ですから、そのために日本側が収集した情報を共有することになれば、米軍との武力の行使の一体化になるおそれはあり得ると思うんです。  その際にそうはならないという歯止めは、保証はどこにあるのかということを伺っているんです。相手の国があるから明らかにできないということではないだろうと、これは我が国の問題ですから。大臣、もう一度いかがでしょうか。 ○政府参考人(増田和夫君) お答え申し上げます。  先ほど防衛大臣よりお答えしましたように、一般的な情報交換の一環としての情報提供である限り、米軍による武力の行使との関係で問題を生ずるおそれはなく、憲法上の問題は生じないと考えております。  その上で、委員御指摘の武力の行使との一体化との関係で申し上げますと、これを一般論として申し上げますと、従来から、例えば特定の国の武力の行使を直接支援するために偵察行動を伴うような情報収集を行い、これを提供する場合のように、情報の提供に特定の行動が伴う場合には例外的に他国の武力の行使と一体となると判断される可能性があると考えております。  ここで言う特定の行動とは、我が国が、ある国から特定の戦闘行為の実行を直接支援するために特定の情報を戦術的に取ってほしいと頼まれ、そのために情報収集活動を行うようなことを指すと解しておりまして、武力の行使の三要件を満たさない場合に我が国がそのような特定の行動を伴う情報提供を行うことは想定されておりません。  このような考え方を踏まえて、米国とのMD等における情報の共有の在り方について議論しているところでございます。 ○山添拓君 従来そのように答弁をしてきたわけですが、今度のセンサー、シューターの一体化、IAMD構想の中での用い方というのは、そうして順を追ってということにはならないわけですね。センサーで探知し、追尾し、直ちにシューターで攻撃を仕掛ける、これを一体的に運用していこうとしているわけですから、特定の国の武力行使を直接支援するために日本の情報が使われ得るということだと思うんですよ。  ところが、今答弁ありましたけれども、この武力の行使の一体化の可能性について十分問題意識が示されているとは言えないと思うんです。この宇宙軍拡は重大な憲法違反をはらんでいると言わざるを得ないと思います。  極超音速兵器、HGVは、マッハ五以上で飛翔し、飛翔経路や着弾地点の予測が困難な上、飛翔中に複雑な機動が可能で、探知や迎撃は非常に困難だとされます。防衛研究所の今年三月の報告書によれば、米国やロシアは迎撃のためのシステム開発に着手し、中国は、構想段階とされますが、検討は始めたのではないかとされています。日本も技術実証を進めると言いますが、要するにこの開発競争に加わっていくということです。  一方で、この報告書を読みますと、極超音速兵器を配備した中国に対してアメリカが配備を進めれば両国間の軍事的緊張が高まるだけであり、外交や軍備管理に基づく政治的な解決策を模索すべきだなど、開発、配備競争を憂慮する声が紹介されております。  外務大臣に伺います。  極超音速兵器は、軍縮のための軍備管理交渉こそ進めるべきだと思います。日本政府としてどのように働きかけるおつもりですか。 ○国務大臣(林芳正君) 我が国といたしましては、従来から、米ロを超えたより広範な国家、より広範な兵器システムを含む新たな軍備管理枠組みを構築していくことが重要と考えておりまして、特に米国、ロシア及び中国を含む関係国をしっかり巻き込んだ軍備管理・軍縮の取組が重要と考えております。  こうした中で、例えば、先月のG7長野県軽井沢外相会合において発出をいたしましたG7外相コミュニケで、中国による核戦力の拡大及びより高度な運搬手段の開発を懸念する旨表明した上で、中国に対しまして、戦略的リスク低減に関する米国との対話に速やかに関与するよう強く求めるなどしたところでございます。また、ロシアに対しても、核のリスクの低減に関する米ロ間の対話に戻るよう求めたところでございます。  引き続き、極超音速兵器の開発、配備状況を含め、各国の軍事動向を注視するとともに、唯一の同盟国である米国との信頼関係を基礎としつつ、中ロを巻き込む形で軍備管理そして軍縮に係る取組を進めてまいりたいと考えております。 ○山添拓君 中国、ロシアはもちろんですが、米国に対してもはっきり言うべきだと思います。既に宇宙空間を含む大軍拡競争になっております。日本がその探知・追尾能力の技術実証を進めれば、開発、配備の軍拡競争に拍車を掛けるだけであります。軍縮のための方針と行動こそ日本政府に求められていることを重ねて指摘したいと思います。  最後に、サイバー犯罪条約第二追加議定書について伺います。  協定六条は、国境を越えるサイバー犯罪に利用されているウェブサイトの開設者等を特定するためのドメイン名登録者情報について開示するよう外国事業者に対して直接要請できるようにするものです。従来は捜査共助として捜査機関同士のやり取りで行われてきたものです。  法務省に伺います。  サイバー犯罪条約締結後、サイバー犯罪に関する捜査共助の外国への要請件数、外国からの受託件数の実績について、その推移をお示しください。 ○政府参考人(保坂和人君) 捜査共助等につきまして、要請及び受託の年ごとの全体数は、これ把握して公表いたしておりますが、今お尋ねのサイバー犯罪という罪名の区分があるわけではございませんで、そのような観点からの統計は取っておらないため、その件数の推移についてお答えすることは困難でございます。 ○山添拓君 いや、統計は取っていないかもしれませんが、調べようと思えば分かるわけですね。 ○政府参考人(保坂和人君) 今委員御指摘のそのサイバー犯罪というものにつきまして、どのような種類、態様の犯罪がそれに当たるのかということにつきまして、必ずしも国際的に見ても国内的に見ても定見があるわけではございませんので、そうした件数を把握すること自体が困難であるために統計を取っておらないということでございます。 ○山添拓君 ちょっと時間が来ましたので終わらなければならないんですが、これは捜査共助として行ってきた協力を迅速、円滑にするための協定だと伺っているわけです。したがって、現状の実績は本協定の立法事実と言うべきものです。それが示されないのはおかしいと思います。  我が党は、この協定、加入者情報についての直接協力は、通信の秘密の保護のため適用を留保していることなども踏まえて、新たな問題はないと判断して承認に賛成ですが、その必要性を示す実績については当委員会に明らかにされたいと思いますので、委員長、お願いします。 ○委員長(阿達雅志君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。 ○山添拓君 終わります。 ○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。  五月十五日は沖縄復帰の日です。  昨年、参議院では本土復帰五十年決議が行われませんでした。その理由は、日米地位協定の改定というこの記述をめぐって与野党が合意できなかったからです。  沖縄県議会では、与野党が一致して日米地位協定の抜本的改定を盛り込んだ意見書、復帰五十年決議が行われました。沖縄にとっては、与野党関係なく、日米地位協定による県民の負担が大きいという共通認識があるからです。先ほども高木委員よりありましたけれども、この地位協定の問題、主権の問題にも大きく関わっていると。五十年です。地位協定自体はもう七十年近いですね、六十何年です。  沖縄へのこの地位協定の運用は五月十五日からでした。この五・一五メモというのがあります。それは米軍が沖縄県内で行う演習を日米両政府が合意したもので、非公開とされました。沖縄県民はそのことを一切知らされず、米軍のパラシュート降下訓練が突然始まったことに驚きと衝撃を受けました。県民の命と暮らしに大きく関わる情報が非公開とされたことは、アメリカだけでなく、日本政府に対して大きな不信感を持ちました。  本日は情報に関わるサイバー条約と日米関係を中心に質問いたしますが、このような形で合意というものが国民に見えない場合には、このようないろんな問題が起こってくるということで、これは先ほどの日米宇宙協力枠組み協定においても、新たに何が出てくるんだと、両政府が決定した協力というのが新たに来るということも指摘しておきたいと思います。  お配りした配付資料一、今日結構ありますけれども、サイバー犯罪に関する条約の本体の条文です。  まず、この条約について伺います。  外国政府が、我が国の政府が使用するコンピューターに使用者の同意なくアクセスをしたり、情報を盗み見たり、非公開通信を傍受したり、ウイルスを埋め込んだりする行為は、この条約、例えば第二条から第七条の対象となるでしょうか。当該外国の国内法令に当該行為の根拠がある場合とない場合とに分けてお答えください。 ○政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘のありました行為とサイバー犯罪に関する条約との関係については、個別具体的に検討する必要があると考えてございます。  その上で、一般論として申し上げれば、御指摘の行為については、当該外国の国内法令における当該行為の根拠の有無にかかわらず、同条約におけるコンピューターに対し不法にアクセスすること、違法にアクセスすること、コンピューターデータを違法に傍受すること、及びウイルス等のコンピューターの機能に対し重大な妨害を行うために使用されることを意図して製造されたプログラムを頒布することに該当し得ると考えられます。 ○高良鉄美君 これは、有無にかかわらず、国内法の有無に、相手国のですね、有無にかかわらず該当するということでした。  外国企業が、それでは、我が国の公的機関や私人が使用するコンピューターを使用者の同意なくアクセスをしたり、あるいは情報を盗み見たり、非公開通信を傍受したりする行為を目的とするハードやソフトを組み込んだ形で販売などをすることは、条約第六条の規定で犯罪とすべきものになるでしょうか。当該アクセスなどの行為が当該外国企業の所属国で法令上の根拠がある場合とない場合に分けてお答えください。 ○政府参考人(市川恵一君) 御指摘の行為とサイバー犯罪に関する条約との関係については、個別具体的に検討する必要があると考えてございます。  その上で、一般論として申し上げれば、御指摘のような行為については、当該外国企業の所在する国の国内法令における当該行為の根拠の有無にかかわらず、当該ハードウエアやソフトウエアが第二条から第五条までの犯罪を主として行うために設計などされたものであり、かつ、その販売などの行為が当該犯罪を行うために使用されることを意図して故意に行われたと評価できる場合には、第六条の規定で犯罪とすべきものに該当し得ると考えられるということでございます。 ○高良鉄美君 今答弁の中で、犯罪を主として行うためにとありました。ということは、基本的には通常の用途の商品として作られているけれども、先ほどの犯罪も行おうと思えばできる機能を潜ませているというものは条約の対象となっていないということでしょうか。 ○政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  このサイバー犯罪に関する条約において、第二条から第五条までの規定に従って定められる犯罪を主として行うために設計などされた装置などに限定して、これを製造などする行為も犯罪化している趣旨は、犯罪以外の正当な用途のある装置を製造等した者まで当該装置が結果的に犯罪目的で用いられたことをもって処罰される事態を避けるためでございます。  したがいまして、御指摘の行為と同条約との関係について個別具体的に検討する必要はあるものの、一般論として、犯罪に用いられ得る機能を有するような装置等であっても、基本的に正当な用途を前提に製造されている製品であれば、これを製造等する行為は同条約第六条の規定で犯罪とすべきものの対象にはならないと考えてございます。 ○高良鉄美君 外見的には、基本的にはそういうことだということで、販売の中身ですね、実態というものを少し紹介したいと思います。  今の議論を聞いて、多くの方々が中国のファーウェイ、ティックトックのことを思い浮かべられたと思います。もちろん、我が国にとっては、こういったところへの警戒が必要だとは思います。  しかし、例えば、昨年、習近平主席がサウジアラビアを訪問した際、サウジアラビアとファーウェイとの大きな取引が成立したと聞いています。また、一昨日、五月九日の日経には、ティックトックの利用規制について東南アジアは欧米に追従しないと、マレーシアが5Gにファーウェイを採用する可能性が出てきたという記事が載っていました。  こういった動きを背景として、アメリカやアメリカ企業が、先ほど質問で挙げたような行動を取っていると世界で見られているということを考慮する必要があると思います。  四月上旬のニューヨーク・タイムズの記事をきっかけに、アメリカ国防総省の機密文書の漏えい事件について様々な報道が出ました。報道をうのみにすべきではないとは思っています。ただ、今日の案件に関連しては、アメリカが同盟国に対して情報の盗み見をしていたとされる件が挙げられます。韓国については、ウクライナへの砲弾の供与について韓国政府内での検討内容が米政府に把握されていたとされます。  今回の機密文書とされるものでは、日本政府の内部情報がアメリカに盗み見られているという話は出ていないようです。しかし、これまでアメリカが日本政府に対しこのような行為を行っているという話は多々ありました。最も印象に残るのは、二〇一三年のエドワード・スノーデンによる告発です。米国家安全保障局、NSAはPRISMという監視プログラムを持っており、インターネット情報の収集対象はメールやウェブチャットなど多岐にわたっているとのことです。電話回線の傍受も行われており、米国の大手通信会社も協力していると聞いています。  配付資料二は、産経新聞の記事です。  二〇一五年には、ウィキリークスがNSAによる日本政府、企業への電話盗聴を暴露しました。経産大臣や日銀総裁ら要人、内閣官房、三菱商事など三十五か所の盗聴対象リストが明らかにされ、当時のバイデン副大統領が安倍首相に陳謝する事態となりました。  そこで、林大臣にお伺いします。  日本政府は、アメリカ政府により内部情報を盗み見られたり通信を傍受されている事態が今日も生じているとお考えでしょうか。また、過去に行われていたとお考えでしょうか。お願いします。 ○国務大臣(林芳正君) 今委員から御指摘のありました報道につきましては承知をしておりますけれども、SNS上の出所不明の文書についてコメントすることは差し控えたいと思います。  その上で、一般論として申し上げますと、政府としては、各種の情報収集活動が行われるおそれがあることを念頭に、当該活動に対する危機意識を持つことは大変重要なことであり、情報の保全に万全を期していく、このことについてはこれからもしっかり努力をしてまいりたいと考えております。 ○高良鉄美君 更に危機意識を高めてしまいますけれども。  次に、IT関連企業について見ていきたいと思います。  中国企業を警戒するのと同様に、西側、特にアメリカ企業に対しても警戒すべきだと思います。アメリカのビッグテックを使うとアメリカ政府に情報が抜き取られるといううわさも多々ありましたが、この点で最も印象に残っているのは先ほどのスノーデン情報です。これによると、インターネット傍受は、マイクロソフト、グーグル、ヤフー、フェイスブック、アップル、AOL、スカイプ、ユーチューブ、パルトーク、こういった大手九社のウェブサービスが協力していました。NSAは、ユーザーの登録情報や電子メール、文書、写真、利用記録、通話などあらゆるメタ情報を収集していたそうです。  配付資料三を御覧ください。下線を引いた名和利男さんの発言を御覧ください。名和さんは、自衛隊でサイバーセキュリティーを担当された後、民間に転じられた方で、日本のサイバーセキュリティーを勉強すれば必ず名前を目にする方です。  米国のIT企業は米国の諜報活動に協力しているわけです。ですから、わざわざ後からウイルスを侵入させなくても、米国製コンピューターのハードウエアやOSには出荷時点で米国に都合の良いシステムが既に組み込まれている可能性があるのですというわけです。  また、最近では、イーロン・マスクがツイッターを買収したことにより、いろんなことが明らかになってまいりました。配付資料四のフォーブスの記事を御覧ください。  先月、米政府は、利用者のダイレクトメールを含め、ツイッターに完全にアクセスできるようになっていたとイーロン・マスクはFOXニュースのインタビューに答えています。ツイッターについてこのようなことがあるのであれば、ほかのアメリカのビッグテックについても同様と考えるのが自然です。  そこで、林大臣に伺います。  アメリカ企業の製品やサービスを使用する場合、中国企業の場合と同様、情報が盗み見られる危険性などを認識しなければならないと思います。御見解をお伺いします。 ○国務大臣(林芳正君) 事柄の性格上、詳細につきましてお答えすることは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、各種の情報収集活動が行われるおそれがあるということを念頭に危機意識を持つこと、これは大変重要なことであるというふうに認識をしております。 ○高良鉄美君 危機意識は更に続くと思いますが。  この漏えい文書に登場した韓国ですが、韓国政府も、この公開された文書のかなりが偽造されたものとするなど、余り問題視しない構えです。しかし、別の議論もあります。  配付資料の五は、この韓国の革新系のハンギョレ新聞ですが、アメリカのダブルスタンダードや偽善性を批判しています。  それから、配付資料の六の方は、イランのニュースサイトです。ここで言及されているドイツやデンマークのメディアの原典には当たっておりませんけれども、アメリカのドイツへの諜報、スパイ活動などが紹介されています。  サイバー犯罪条約ですが、これの本体ですけれども、二〇〇一年十一月の署名開放から二十年以上たっているにもかかわらず、二〇二三年三月現在で締約国は欧米を中心に六十八か国にすぎません。  一方、国連では、関連する別の条約の策定交渉が進んでいます。二〇一九年十二月、ロシア、中国などが提案した国連決議により、犯罪目的による情報通信機器の使用対策に関する包括的な国際条約を作成する特別委員会が設立され、現在手続が進んでいます。  なぜ欧米中心の現条約の拡充でなく、ロシア、中国が主導した新条約締結の動きになっているかに関連し、高知大学の准教授塩原俊彦さんが朝日新聞の論座に書かれた記事がありますので、短文をちょっと読み上げたいと思います。  塩原さんは、次のようにワシントン・ポストの指摘を引用されました。例えば、米国の世界的な監視、ハッキングプログラムに関するスノーデンの暴露とそれに伴う米国の偽善的コストは、インターネットが国家のコントロール外にあるという米国の主張を弱めることになった、オープンなインターネットへの支持が低下していると。その上で、塩原さんは、その結果として、最初に紹介したロシア主導のサイバー犯罪対策条約案が、国連の場で、多数の賛成の下に制定に向けて具体的に動き出すまでになっていることになると述べています。  本議定書、第二議定書ですか、これについて、我が国は、自由、公正、安全なサイバー空間を確保する条約となるよう交渉するとのことです。  ちょっとなくなりましたので。  今回、沖縄の問題から最初に入ったのは、国と国の合意ではあるけれども、国民の生活に関連してくるという問題が、国民に知らないところでいろいろ広がっていくということなんです。ですから、この日米という両方で合意をしているということですけれども、この合意の中でいろいろ国民に分からないまま進んできたというのが紹介をいたしました。  我が国の、欧米諸国の主張や説得力を持つためには、今日紹介しました米国や米国企業の行為を改める必要があると思います。  昨年九月十日、プーチン大統領が、四州のロシア編入の際の演説でこう言いました。米国は、今日に至るまで、ドイツ、日本、大韓民国などを占領し、対等な同盟国だと皮肉っている、聞け、どんな同盟なんだろう、これらの国の指導者がスパイされ、国家元首がオフィスだけでなく自宅まで盗聴されていることは全世界が知っている、本当に残念なことだと。それをする人も、奴隷のように黙ってこのやぼったさをのみ込んでいる人も、恥ずかしくなると発言したことを御存じでしょうか。  中国に対しても米国に対してもひとしくサイバー犯罪は行うなとはっきり言えないようであれば、プーチン大統領の言っている恥ずかしいと言われても仕方がありません。  私は、これまで本委員会で、米国追従になることの問題点をるる述べてまいりました。今回はサイバーの話をしましたけれども、この日米宇宙協力に関する枠組み協定についても全く同じ懸念を持っています。ですから、この米国との協定には反対であるということを申し上げます。  そして、この日米の宇宙だけでなくて、どうして全世界の宇宙の問題に入らないのかと。二国間でやるということは、アメリカに引っ張られていくということです。  そして、さらにこの負担が、先ほども山添議員からもありましたけれども、安保三文書との関連でいえば、もう宇宙とサイバーと電磁波というこの三つが載っている中で、この宇宙はもうもろに当たるんじゃないかという懸念が強いわけです。そして、そうしますと沖縄に負担が来ると、そういったことから私はこの宇宙の協力協定については反対をします。  そして、やはりそのほかにも懸念があるということを先ほど申し上げたわけですので、この懸念についてはありますけれども、残りの二つについてはまあ賛成をいたします。  ということで、時間前になりましたけれども、お話を終わりたいと思います。ありがとうございます。 ○委員長(阿達雅志君) 他に御発言もないようですから、三件に対する質疑は終局したものと認めます。  これより三件について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。 ○山添拓君 日本共産党を代表し、日米宇宙協力に関する枠組み協定に反対、二国間航空協定に関する日・EU協定及びサイバー犯罪条約の第二追加議定書に賛成の立場で討論します。  なお、サイバー犯罪条約第二追加議定書については、先ほど法務省からサイバー犯罪の定義も定かではないかのような答弁がありました。これは看過できず、求めた資料の早期の提供を改めて求めます。  以下、日米宇宙協力に関する枠組み協定の反対理由を述べます。  本協定は、日米間の宇宙分野における協力の基本事項を包括的に定める初めての協定であり、運用、探査、輸送、航空技術など幅広い分野を対象に日米同盟の協力分野を一層広げることが狙いとされます。  政府が昨年閣議決定した安保三文書の一つ、国家安全保障戦略は、宇宙の安全保障分野での対応能力を強化するとし、続く宇宙開発戦略本部の宇宙基本計画工程表は、今年夏を目途に宇宙安全保障構想を策定するとしました。  四月に公表された宇宙基本計画の改定案は、安全保障のために宇宙システムの利用を抜本的に拡大していくとし、敵基地攻撃能力となるスタンドオフミサイル等の実効性確保のための衛星コンステレーションを活用した情報収集体制の構築、準天頂衛星システムの開発、運用、極超音速滑空兵器、HGVの探知、追尾のための技術実証など、米国との連携を含めて軍事利用を大幅に拡大しようとしています。本協定は、こうした日米の戦略的取組を推進するものとなるのは明らかです。  日本版GPSとされる準天頂衛星二機に米国宇宙軍のセンサーを搭載するといいます。二〇一六年、当時の安倍首相は、米国の宇宙軍事利用の補完とか従属では全くないなどと答弁していましたが、元々米国の求めに従った増備であり、完全なごまかしでした。  日本の衛星のセンサーが収集した情報を米軍に提供し、米側が攻撃することになれば、特定の国の武力行使を直接支援するために偵察行動など情報収集を行う武力の行使の一体化と評価される事態も容易に想定されますが、質疑を通じてもまともな認識は示されませんでした。宇宙空間を利用した情報収集は、米国が進めるIAMD構想に不可欠です。日米一体で敵基地攻撃とミサイル迎撃を行おうとするものであり、認められません。  米中ロが開発、配備競争を進める極超音速兵器については、軍拡競争をあおるのではなく、軍縮のための外交を日本が先導すべきです。国境のない宇宙空間で軍事利用を広げれば、平和と安全が脅かされることは明らかです。  米国主導の宇宙軍拡を是認する本協定は、我が国が長らく堅持してきた宇宙の平和利用原則とは到底相入れず、承認できません。  以上、討論とします。 ○委員長(阿達雅志君) 他に御意見もないようですから、三件に対する討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、平和的目的のための月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の枠組協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕 ○委員長(阿達雅志君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、航空業務に関する日本国と欧州連合構成国との間の協定の特定の規定に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕 ○委員長(阿達雅志君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、協力及び電子的証拠の開示の強化に関するサイバー犯罪に関する条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕 ○委員長(阿達雅志君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十七分散会